Q:八百金さんから仕入れるようになったのはいつからですか？

二郎さん：うちの店が開店する前ですからね。
「与志乃」の修行時代からのお付き合いだから、もう60年以上の付き合いになります。

Q:八百金さんの良いところは？

二郎さん:魚河岸の中でも八百金さん以上の野菜ものはないんです。 だから信頼してうちは八百金さんにお願いしてるんです。

染谷さん:そう言われるとプレッシャーですよ(笑)
期待に応えられるよう他所よりもっと良いものを出さなければって。 でもこうして一流のお寿司屋さんが頼りにしてくれると嬉しいです。

だから、季節や天候のせいで良いものがない時が一番困ります。
頑張って良いものを探し出すんですけどね(笑)
特に二郎さんのところとは長い付き合いですし一流店ですから、下手なものは絶対出せません。

二郎さん:私が26から70歳になるまでは、朝5時半に起きて毎朝必ず築地に行って店に通っていましたからね。

Q:なるほど。そうして、築地の移り変わりも一緒にずっと見てきたんですね。

二郎さん：そう。今の人は値段からものを選んでいくことが多いですが、 うちは値段じゃなくて、とにかく味が良いものを求めてますから。
今日はこれとこれをお願い、と伝えると うちの店で欲しいものをちゃんともの（品質）を選んで揃えてきてくれます。

Q:お寿司にとってわさびとはどんな存在ですか？

二郎さん：一番重要と言っても良いんじゃないですか。 香りや辛味など、それらのバランスが取れた寿司をつくるには それにふさわしいわさびが必要になります。 それを分かっていただいているプロだから、うちはわさびについては八百金さんにお任せしています。
染谷さん：責任重大です(笑)

二郎さん：あと、八百金さんの良いところはね、何かちょっと気になることを言うとすぐ来てくるんですよ。うちの「小使」みたいなもんです(笑)
でも、こうして良いことも悪いことも言える信頼関係がいいですね。 信頼できるからこそ、わさびに関しては甘えられる存在なんです。
染谷さん：こうして頼りにされるのは嬉しいですね。これからもよろしくお願いします。